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「フレグランスハラスメント」にならないさりげない香りの纏い方

もう【フレグランスハラスメント】と言われない!賢い香り術20選!もいよいよ終盤となって参りました。

現在、商業用香水をプロデュースする上での主流となる18のフレグランスノートを知り、ナチュラルな植物性香料であるアロマエッセンシャルオイルについても学びましたし、古来から伝わる日本の香道についても調べましたね。

今後、フレグランス(=香り)とどのようなつきあい方をすれば、ハラスメントと言われないですむか、また、香りに悩まされつづけている人は、どうしたら、解き放たれるのか。答えは導き出せたでしょうか。

【フレグランスハラスメント】の主な要因は、香水をつけすぎることと、柔軟剤などの香りをまといすぎることにありました。

湿度の高い日本では乾燥しがちなヨーロッパ以上に、フレグランスがくっきりとつよく香りだちます。

そのように「匂いやすい」気候条件であるにも関わらず、同じ匂いを習慣的にまとっているうちに、自身の鼻はすっかりその匂いに鈍感になってしまうのです。

お気に入りのフレグランスの匂いが自分の鼻には届かない(実際にはかなりつよく匂っているにも関わらず!)ため、匂いを感じるために日に日に増量していき、ますます鼻は麻痺。周囲は大迷惑という構図です。

どこかでこれを断ち切らなければなりません!

同じ匂いをもう数ヶ月以上、まといつづけていると言う人、香水にせよ、柔軟剤にせよ、そのお気に入りの匂いとはしばらく距離を置き、今までのレッスンを参考に、今度は違ったフレグランスノートをもつ香水をつかってみませんか。

今まで肌に直接振りかけていたのなら、次からは、異なるアプローチで使用してみてはいかがでしょう?

たとえば、部屋にシュッとスプレーして、香水の香りの舞う箇所を通り抜け、空気の中に漂う香りをほんのりとまとう。あるいはスカートの裾に少量だけつけてみる、など。

化学香料が多用されたフレグランスを愛用していた人は、ただ単に香りを愉しむだけでなく、症状別に処方することのできるアロマエッセンシャルオイルをつかってみるというのはいかがでしょう?

何種類かをブレンドすることによって、自分だけの香りをつくることもできますし、アロマは植物をメインとした天然由来の香料しか用いていないため、合成香料に反応して頭痛がするなどとうこともありません。

そのような頭痛の症状を緩和させるはたらきのあるアロマエッセンシャルオイルも存在するのですから、奥深い世界ですよね。

今までフレグランスの香りを敬遠していたという人は、もしかしたらアロマエッセンシャルオイルのように天然の香料なら、とっつきやすいかもしれませんよ。

水溶性エタノールや、キャリアオイルで希釈すれば、主張しすぎない、さりげない香りのナチュラル香水をつくることも可能です。

アロマエッセンシャルオイルの香りには、フレグランスに使用される香料のもととなっているものも多数あります。

自分が苦手だとする香りの正体がつかめたら、その対処法もアロマエッセンシャルオイルで編み出すことができそうな感じがしませんか?

香りの世界は奥深く、愉しいもの。自覚なく【フレグランスハラスメント】になってるなんて、もったいない話だし、【フレグランスハラスメント】に悩まされ、香りを毛嫌いするなんていうのは、もっともったいない!

香りとはぜひ上手につきあって、ときには香りを味方に、逆境をらくらく乗り越えて、充実した日々を送ってほしいと思います!

アロマエッセンシャルオイルを生活に取り入れて毎日快適に過ごす!

好みのアロマエッセンシャルオイルを入手したら、ティッシュや化粧用コットンに一滴か二滴ほど含ませ、窓際やベッドサイドに置いて香りを愉しんでみましょう。

前項で紹介した、手軽なアロマ香水をつくってみてもよいですね。複数のアロマを組み合わせてつくっても、一種類のアロマだけでも、好みでお試しください。

基本のレシピは、無水エタノール8ミリリットル、アロマエッセンシャルオイル合計24滴、精製水1ミリリットル。フレグランスでいうところの、パルファンドトワレ(オードパルファン)くらいの濃度の香水ができます。

アロマバスを愉しみたい!という方も多いと思います。しかし、エッセンシャルオイルを直接湯に溶かすのは御法度。

エッセンシャルオイルは油。お湯に溶けづらいんです。溶けきらずに固まってしまったアロマが肌に直接触れると肌の弱い人はかぶれたり、赤く腫れ上がっってしまうことがあります。

アロマバスを愉しみたいときは、5ミリリットルのホホバオイルかアーモンドオイルを用意し、好みのエッセンシャルオイルを5滴ほど垂らしよく溶かしてください。

このようにアロマを溶かすためのオイルをキャリアオイルと呼びます。キャリアオイルを用いることでエッセンシャルオイルが湯に溶けやすくなり、アロマの効果も浸透しやすくなります。

さっぱりとアロマバスを愉しみたい人にはバスソルトがオススメ!大さじ二杯ほどの天然塩に五滴ほどのアロマエッセンシャルオイルを垂らし、よく混ぜたらお湯に溶かします。

塩には発汗作用があるため、からだがポカポカ温まり、新陳代謝がよくなります。アロマバスソルトをつかった入浴タイムは、健康的なダイエットにも最適!

お店で買うと値段の張るアロマバスボムも簡単にご家庭でつくることができます!

用意するものは、重曹40グラム、クエン酸20グラム、コーンスターチ10グラム。それらをよく混ぜてアロマエッセンシャルオイルを5滴ほど垂らし、水を加えながら団子状にこねあげれば、シュワシュワ発泡する楽しいアロマバスボムの完成!

好きな香りのアロマをで使い心地のよい石けんを手作りすることもできますよ。

アロマ専門店などで売っている石けん素地(石けんのもととなるもの)を購入してください。この石けん素地を100グラムつかいます。

アロマエッセンシャルオイルは3滴から5滴ほど。好みで調節してください。好きな香り1種類だけでも、何種類か混ぜてみてもよいと思います。

エッセンシャルオイルをよく溶かしきるためにホホバオイルかアーモンドオイルを15ミリほど用意。

あともうひとつ、用意しなければならない意外なものがあります。

…答えは、ベビー用粉末ミルク。このミルクが洗い上がりのしっとり感、つるつる感を演出してくれます。ベビー用粉末ミルクがこの役割を果たします。量は適当で大丈夫です。

まず、ホホバオイルかアーモンドオイルをキャリアオイルにし、粉末ミルクとアロマエッセンシャルオイルを加え、よく混ぜます。

それを、石けん素地に混ぜ込み、全体をひねりつぶすような要領でよくこねあげます。このとき、ジッパーつきの袋の中でこねると手が汚れず、作業がラクかもしれません。

しっかり混ざり合ったら石けんを成形し、日陰の風通しのよい場所に置き、二、三日乾燥させます。固まったらできあがりです。

アロマエッセンシャルオイルをバスタイムなどにどんどん活用して、毎日の生活をめいっぱい愉しんでくださいね!

目的別アロマエッセンシャルオイル活用法「リラックスしたいときに」

一日の終わりや、一週間分の仕事を終えた週末。「心ゆくまで、ゆったりリラックスしたい〜」と思うもの。

疲労やストレスが貯まっていると自覚している状態ならなおさら、そうでなくとも、明日への活力のために、自分自身をねぎらい、心身をゆっくり休めてあげる必要があります。

そんなとき、いちばんオススメなのは、「好みのアロマエッセンシャルオイルを見つけ、家に常備しておくこと」なんです!

好きな香りに包まれていれば、人は自然にリラックスモードに入ります。どんなに効果が高いと人に勧められたアロマでも、好ましい香りでなかったら、効果は半減、どころか、逆に悪影響を及ぼしてしまうことも…!

アロマ初心者の方は、まず、好きな香りを見つけるところからスタートしてみてはいかがでしょう?

アロマエッセンシャルオイルの価格は、その元となる香料の希少性次第ではおそろしく高額になってしまうことも…。最初から高価なエッセンシャルオイルは、あまり必要ないので、ここではまず、初心者のスターターアロマとしてオススメの16本をご紹介したいと思います。

入手しやすく、価格もさほど高くないものをモッシーノートを除く7ノートの中から選びました。参考にしてください。

まずは、心身をシャキッとさせてくれるシトラスノートから、“レモン”、“ベルガモット”、“オレンジ”。この中でリラックス効果が高いのは、柑橘系の中でも比較的甘みのつよい“オレンジ”です。

フラワリーノートからは、ローズに似た甘い香りの“パルマローザ”、“ゼラニウム”、“ラベンダー”をチョイス。

フレグランス香料としてポピュラーなローズはアロマエッセンシャルオイルとして非常に高価なものなんです。ジャスミンもローズに同様高級品!

ちなみにオリエンタルノートの“イランイラン”はちょっと言い方が悪いですが、別名・「貧乏人のジャスミン」。ジャスミンの代用品には、 値段の張らない“イランイラン”をつかうとよいですよ。

オリエンタルノートからは、“イランイラン”のほかに“サンダルウッド”をオススメします。

“サンダルウッド”は日本では白檀(ビャクダン)と呼ばれ、香道の世界では、なくてはならない重要な香木のひとつ。頭痛や不眠症を改善する効果にすぐれています。

アロマティックノートからは、怒りによる興奮を鎮める作用とネガティブな気持ち一掃し、覚醒作用も高い“ペパーミント”と逆境改善に力を貸してくれる勇気のアロマ、“フェンネル”を選びます。

“フェンネル”は脳に刺激を与え、ホルモン分泌を活発にしてくれるので、認知症予防などにも高い効果が期待されています。

ウッディノートからは、“シダーウッド”と“ローズウッド”を選びました。あたたかみのある香りを持つウッディノートは、安心と癒やし系のアロマ。リラックスするにはもってこいです。

“シダーウッド”には怒りや不安を鎮め、心を落ち着かせてくれる作用があります。“ローズウッド”は、長期間に渡り溜め込んだストレスを緩和させてくれる、非常にリラックス効果の高い香りです。

スパイシーノートから選んだのは、前向きになれる香りを持つ“ジンジャー”と忍耐力と情熱を引き出してくれる“ブラックペッパー”。

ラストは、バルサムノートからの二種。“ベンゾイン”はバニラを思わせるどこか懐かしい香り。別名「安息香」と呼ばれ、その名の通り、心に癒やしを与えてくれます。

ややスモーキーな匂いが特徴の“フランキンセンス”からは、ネガティブな影響を受けやすい心のバリアとなる効果が得られます。

ぜひ試してみたい!と思うアロマ、いくつありましたか?

目的別アロマエッセンシャルオイル活用法「カレを自分の虜にしたい」

「気に入った異性を絶対に自分のものにしたい!」という思いは古今東西、男女問わず、多くの人が持つ原始的欲求のひとつ。

フレグランスノートの項では、動物性香料であるムスク(ジャコウジカ由来)、アンバーグリス(マッコウクジラ由来)、シベット(ジャコウネコ由来)などが、異性をひきつけるフェロモン系の香料として長年つかわれてきた話をしました。

植物由来の香りに限定されたアロマエッセンシャルオイルに、動物性のフェロモンに匹敵する効果は果たして期待できるのでしょうか。

その答えは、オリエンタルノートのエッセンシャルオイルにありました。フレグランスでもオリエンタルノートは「東洋的でエキゾチックな香り」のイメージです。

ムンとした熱気と湿度の高さの中に香る、熟した果実や色鮮やかな花々の甘くかぐわしい香り…。

西欧諸国に住む人々がイメージするオリエンタル(東洋)は、おもに東南アジア地域の文化や雰囲気。同じアジア圏(オリエント)に住む私たち日本人も西欧の人々と同じように、自国文化との違いに憧れを抱きます。

オリエンタルノートの“イランイラン”は、そのものズバリ!「インドネシアでは新婚初夜にベッドに花弁を散らす花」。濃厚な甘さは「セクシー系」の代表格!

生理前の緊張や、更年期障害など、女性特有の不快な症状の緩和に効果をもたらすアロマでもあります。

同じくオリエンタルノートの“ヴァレリアン”。甘さと同時にウッディ系のあたたかな香りも感じさせるアロマです。

心の動揺を鎮める作用があるので、引っ込み思案の自分にサヨナラ!して積極的になりたいとき、ポンと背中を押してくれそうです。

“イランイラン”をつかったオススメの手作り香水レシピは以下の通り。

ガラス瓶に、無水エタノールを8ミリリットル、アロマエッセンシャルオイルを、合計24滴入れ、最後に精製水1ミリリットルを加えて割り箸などで静かにかき混ぜるところは、先ほどの「冷静さを取り戻したいとき」にオススメした手作り香水同様です。

アロマエッセンシャルオイルの配合は、セクシー系の香りに欠かせない、オリエンタルノートの“イランイラン”を6滴、“イランイラン”と相性のよい、フラワリーノートの“ジャスミン”を7滴、シトラスノートの“ベルガモット”は、今回は鎮静効果でなく、気分を高揚させる効果を狙って11滴。

これが計24滴の内訳です。

つぎは、オリエンタルノートの“ヴァレリアン”をつかったレシピのご紹介。“ヴァレリアン”は個性のつよいアロマで相性のよいアロマというのが少ないのです。

ここでは多ジャンルのアロマをつかって、“ヴァレリアン”の個性を上手にひきたてるレシピをご紹介します。

まず、メインとなる“ヴァレリアン”とアロマティックノートの“バニラ”を2滴ずつ。“バニラ”フレグランスではオリエンタルな香調と非常に相性のよい香料のひとつ。

フラワリーノートの中では比較的甘みの少ない“ゼラニウム”を8滴。このアロマも女性特有の症状に緩和をもたらしてくれます。

キリッとした爽やかさが特徴のシトラスノートの中でも、比較的華やかな甘みをもつ“オレンジ”を6滴。フラワリーノートでありながら、オリエンタルノートのイメージも感じさせる“ジャスミン”を6滴。

これで全24滴となります。

オリエンタルノートは「ものすごい好き!」というひとと、「苦手」というひとの好みがくっきり分かれるアロマでもあります。

しかし、男性を虜にするには、これぐらい、つよい個性を出しした方が得策かも?